Xbox One版Fallout 4 MOD「America Rising 2 – Legacy Of The Enclave」

Xbox One版Fallout 4に「America Rising 2 – Legacy Of The Enclave」というMODが登場したので早速試してみました。

MOD説明

America Rising 2 – Legacy Of The Enclaveはバニラにはないエンクレイヴのシナリオを独自に追加する大型MODです。作者はOtellinoさん。

Fallout 4では通常、シナリオ終盤に差し掛かるとミニッツメン、レールロード、B.O.S.、そしてインスティチュートのいずれかの勢力ひとつに所属し行動を共にすることになりますが、このMODではそこへエンクレイヴを加え、新たなシナリオルートを体験できるようになります。

主な内容はエンクレイヴの再興と連邦における勢力の拡大となっており、クエストを進めることでプレイヤーはMajor（少佐）へ昇進、最終的にはColonel（大佐）として行動することになります。

MODの特徴ですが、まずこのMODは独自のエンクレイヴシナリオがバニラの各ルートに負けないぐらいのボリュームで構成されているほか、登場するオリジナルのNPCはネームドからモブに至るまですべて独自の音声収録が当てられています。

また小規模ながらもバニラにはない独自のマップやダンジョンの追加、さらにアパレルの追加もあるほか、Creation Clubの一部アイテムとも連動できるギミックを備えているなど、無料のMODとは考えられないほどのコンテンツに仕上がっています。

シナリオの進め方

シナリオについてはMOD導入後、自動的に「A Rude Awakening」というクエストが始まり、「Vault 111 Distress Signal」が受信できるようになります。このシグナルをラジオで聞くと、サンクチュアリのすぐ近くに「Vault Government Facility」という独自の追加ダンジョンが出現しますので、入ってください。

このダンジョンにはレイダーが住み着いていますので、排除しながら奥に進みます。すると冷却ポッドが4つ置かれている部屋があり、さらにその奥に冷却ポッドを操作するコントロールターミナルがあります。そこで

1. 「Initiate Release Procedure」→冷却ポッドの中の人間を解放。
2. 「Terminate Inhabitants」→冷却ポッドの中の人間を札害。

となり、2を選んだ場合はエンクレイヴシナリオは終了します。逆に1を選ぶと冷却ポッドの中にいた人間4人が目覚め、彼らと共にエンクレイヴ復興を目指すクエストへと入っていきます。

プレイヤーは目覚めた4人と一緒に行動したり、あるいは彼らからクエストを与えられたりしますが、特に重要な人物がGeneral Wardで、基本的には海上に建設された石油採掘施設の基地にてGeneral Wardの命令に従いつつシナリオを進めていくことになります。

しかしこのエンクレイヴシナリオの終盤ではFEV-Ⅱの散布を巡りある人物がクーデターを起こそうと計画、プレイヤーに協力を持ちかけてきます。その人物と手を組みGeneral Wardを始末するか、あるいはあくまでエンクレイヴの計画を忠実に実行するか…といった大きな選択肢も用意されていて、一本道ではないシナリオ構成となっています。

さらに最終的にはB.O.S.とインスティチュートとの決着をつけることにもなりますが、B.O.S.とは時間制限のある状況下での決戦、インスティチュートとは正面から戦争を仕掛けるかあるいは潜入工作で戦闘することなく乗っ取るかという選択肢が用意されており、バニラとはまた違ったシチュエーションと方法で連邦を制圧することができ、とても面白い内容だと感じました。

シナリオクリア後、他の派閥ルート同様にダイヤモンドシティにエンクレイヴの兵士たちが出現するようになります。

台詞自体はすべて英語なので細かくは把握していませんが、台詞の量自体は通常シナリオ、各派閥クエストと同等なぐらいに思えましたし、クエストひとつひとつもしっかりNPCが動き回るほか、防衛戦、拠点攻め、シグナルを追う、シューティングレンジで腕前を披露するなど多岐に渡った内容になっており、非常に丁寧に作られているように見えます。もちろん説得成功による細かな分岐もありましたので、とんでもなく気合の入ったMODと言えると思います。

追加要素について

先述しましたがこのMODには独自の追加マップが3つあります。

マップの端っこに洞窟ができてそこから行ったり、あるいは単にベルチバードで飛んで行くといったものになっていますが、通信アレイ施設、エンクレイヴHQ、ミサイルサイロといった小規模なマップが追加されていて新鮮な気分で探索できます。やっぱり新たに踏み込むエリアにはワクワクしますね。

またエンクレイヴの軍事拠点となるのはマップの東側の海上に建設された石油採掘施設となりますが、シナリオを進めバラバラになっていたエンクレイヴメンバーの救出やエネルギー問題の解決、地下工場の復旧などが解決していくに従いどんどん派手になっていき、最終的には黒いベルチバードやエンクレイヴの兵士たちが盛んに行き来する基地へと変貌していきます。

このエンクレイヴの拠点は結構大きな規模で構成されているだけでなく、内部にはMOD独自の美術で作られた案内図やポスターがあるほか、

プレイヤーが昇進すると与えられる拠点内部のプライベートルームにはエンクレイヴの将校が着る制服と帽子が用意されています。ただバリスティックウィーブを施すことができないため、防御力はイマイチなのが残念。

装備の面で言えばその他にもエンクレイヴ仕様にペイントされたレーザーライフル、ガトリングレーザー、ガスマスクといったものが登場し、これらはレジェンダリーの抽選にも含まれるようになります。拠点内にもいくつか置かれているので、必要であれば持っていきましょう。

レーザーライフル、ガトリングレーザーは黒地に青いラインが入ったペイントになっているだけでなく、弾道のエフェクトが赤からオレンジに変更、倒した敵もオレンジ色の灰へと変わります。これが結構かっこいいんですよねぇ。そしてこのエンクレイヴの兵士たちは稀にロード画面にも出現するようになったりもします。

それからプレイヤー独自の要素としてPip-Boyのエンクレイヴペイント、さらに居住地にエンクレイヴのバリケードが作れるようになる本が用意されています。前者は石油採掘施設の地下工場を復旧させるコントロールルームの棚にモジュールが、後者はコベナント近くにある北ボストン警察署（MOD独自のロケーション）入ってすぐのカウンターにありますのでゲットしておいてください。

Creation Clubとの連動

America Rising 2では一部Creation ClubのアイテムをMODのコンテンツに反映させることができるパッチが用意されています。

パッチが用意されているのは「X-02 Armor」、「Hellfire Armor」、「Tesla Cannon」、「Incinerator」となっており、例えばこれらのパッチを導入することで上の画像のようなテスラキャノンを担いだヘルファイアパワーアーマーのエンクレイヴ兵士がスポーンし、クエスト中でプレイヤーと一緒に戦ってくれます。またこういったエンクレイヴ塗装のパワーアーマーは地下工場を復旧させると工場内のパワーアーマーステーションにも置かれるようになります。

もしCreation Clubコンテンツも導入済みという場合はこれらパッチを当てた方が見た目にもバリエーションが出て面白いのではないかと思います。

クエストでわかりづらかった場所

MODに含まれるエンクレイヴの一連のクエストでクリア方法がちょっと分かりづらかった部分について書いておこうと思います。

序盤でクエストが発生しなくなったとき

Pip-Boyのラジオよりエンクレイヴラジオを聴かないと次のクエストが始まらない場所がある（クエスト一覧に指示が表示されない）。

壊れたパイプの修理

ジャンクアイテムのダクトテープがないと修理できない（なぜパイプを修理できないのか、理由が表示されない）。

Enhanced Stun Baton

クリーチャーを捕まえるとき、バラバラにしてしまうと効果が出ない。Bloody Messを習得していると面倒かもしれない。人間の場合は一発当てるだけでOKらしい？

フェアライン・ヒル私有地の金庫

金庫の鍵を開けるナンバーのヒントは2066年7月3日だが、入力する順番は7366。

インスティチュート侵入、リアクターの資料

広場付近にいる金髪の男性科学者の後を追う。追跡するとマジソン・リーの部屋のテーブルに資料を置くのでそれを盗む。

インスティチュート侵入、Venessa

クエストにはVenessaを捜すとあるが、Venessaはインスティチュート内にはいない。SRBの中のテーブルにホロテープがあり、それを聴く。

インスティチュート侵入工作

通常の人間（ショーン含む）や人造人間には正体がバレないが、コーサーに見つかるとバレてインスティチュート全体が敵対化する。コーサーから離れて行動しつつ、設置場所付近にいる人間対策にはNoisemakerを投げて注意を逸らし、ステルス状態で設置していく。1回でも設置しているところを見つかると作戦が即時失敗し、アームストロング博士も敵対化する。

侵入工作に成功した場合、インスティチュートから脱出後2日ほど経過させると最後のクエスト「Dawn’s Early Light」が始まる。

最後に

正直なところ、このMODはコンテンツのボリュームが多すぎてここでは書ききれないぐらいの追加要素がたっぷり詰まっています。

クリア後の報酬として、独自ペイントのベルチバードを呼ぶことができるようになります。

プレイ時間的には台詞を飛ばすことなく遊んで10時間ぐらいはかかった気がします。途中から「これいつ終わるんだ？」って感じ始めてきたほどで、バニラにはなかったエンクレイヴルートを補完するにふさわしい作り込まれたMOD、と言ってもいいのかもしれません。僕はかなり楽しめました。

とはいえ英語なので全部把握できているわけではないのですが、英語だからといってやらずにスルーするのはもったいない気もしますね。本家に負けないようにという意気込みで作ったんだろうなという感触は強く感じますし、これだけの内容を無料で配布するというのはゲームへの愛なくしては不可能でしょう。少なくとも声の収録だけでもギャラを支払っているのは間違いないでしょうから。それに加えてマップ、ダンジョン、アパレルを独自で追加実装というのは気が遠くなる作業だと思いますね…。まさにこれは愛です。ゲームへの愛があって成り立っていると思います。

Fallout 4が好きだけどさすがに遊び尽くしたな〜って感じている人でも、この新たなエンクレイヴルートの実装でまた新鮮な気分で遊べると思います。稀に見る大作だと思いますので、ぜひ挑戦してみてください。