AbemaTVでのテレビ版エヴァンゲリオン一挙放送、ついに完結しました。20年ぶりに最終話まで見ましたが、いや〜、これはどう感想を書いていいものやら、言葉に迷いますな…。
ビーボォー
最終話までの感想を書く前に、今回放送された第17話〜26話の中で個人的に語るに外せないのが第17話の作画監督「花畑まう」さんですな。実のところ数年前に知ったのですが湖川友謙さんの別名義なんですよね。イデオンやダンバインなど80年代富野アニメを語る上では外せない重要な方ですが、まさかエヴァにも関わっていたとは…と、ビックリしたものです。庵野監督はその昔、アニメージュ誌上でイデオンの劇場版をあげて「富野さんこそ本当の演出家」と絶賛していたぐらいの信者っぷりであることが思い出されますが、そういう関係もあったんでしょうか、湖川友謙さんに作画の仕事がいったというのは。
それを踏まえた上で第17話を改めて見直してみると、こりゃ確かに湖川友謙さんの絵ですな。碇ゲンドウ指令と赤木リツコ博士のこのアゴのライン、そしてこの角度がまさにイデオンに見た湖川友謙さんの絵ですwエヴァ放送時は1995年ですから、第4次スーパーロボット大戦のオリジナルキャラクターをデザインしていた時期とほぼ同時期ぐらいですかね。あの絵もかっこよかったですなー。僕としてはこのワンカットを確認できただけでもAbemaTV見てて良かったなと思いました。
そしてやっぱりエヴァンゲリオンのある意味クライマックスと言えるのが第18〜19話じゃないでしょうかね。エヴァ3号機(バルディエル)とゼルエルとの戦いは物語が終局へと向かっていくにふさわしい壮絶な戦い、そして描写の連続で、よくもこれをテレビで放送してくれたな!と、ある種の戦慄というか、作り手の気迫を感じますね、今見ても。
特に第19話「男の戦い」はゼルエルの見た目の不気味さ、なんでも切り裂いてしまう強烈な触手の前になすすべなく倒れる零号機と弍号機、絶望感しかない空気を高めておいてからの初号機覚醒と例のアレは、数あるロボットアニメのバトルシーンの中でも他に類を見ない凄惨さですな。この突き抜け方、最高です。
リアルタイムで見ていた人は震えたんじゃないですかね、19話見終わったあと。この勢いをつけて最終回どうなっちゃうんだろう!?みたいな。
それと第24話の渚カヲル君については、テレビ版の初期設定にあったという「第一始祖民族」のことを頭に入れた上で見ると台詞が「ああなるほどな」って気はしますが、それを知らないと何を言っているのかチンプンカンプンですね。それこそシンジも「カヲル君、君が何を言っているのか分からないよ!」って叫んでましたが、それは視聴者もそうだったと思いますw
それにしても第19話といい第24話といい、摩砂雪さんの作画監督回は絵の美しさが頭一つ飛び抜けてますな。
そして第25話「終わる世界」と第26話「世界の中心でアイを叫んだけもの」なんですが…シンジの自己完結だけで物語の全体像が見えてこないのがしんどいですね。シンジ、アスカ、レイ、ミサトの自問自答はキャラクターこそバラバラですが全部庵野監督の自問自答でもあるとか当時から言われていましたけど…そもそも話畳めてませんよね、根本的に。置いてけぼり感を食らうというか、ポカーンとするだけという。終わらないまま終わってしまったというか。
庵野監督が疲れ切っていたのか、話のオチが思いつかなくてああなったのか、それとも予算の都合だったのか僕には分かりませんが、当時アニメ界隈が騒然としたのも納得のいく終わり方だということだけは再確認できました。もうそれ以外に言葉が浮かばないッスw
テレビシリーズを見終えて…
まぁ最終話に関しては今見ても「こういう終わり方でいいの?」という疑問は残るのですが、そこに至るまでの過程そのものはとても優れた作品じゃないかと思います。自分としてはそれぞれ個性がまるで違う使徒と、その倒し方の演出、ギミックというところが本当によくできているなと思いますし、各エピソードが20年経った今でも記憶に残っているほどにやっぱり好きですね。そういう自分の感触を再確認できて良かったです。間違いなく90年代を代表するアニメの一つではないかと思いますね。久々に見れて本当に楽しかったです。
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