「ゲーム翻訳の奥深き世界」を読む

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昨今は海外のAAAゲームを日本でも普通に遊べるような時代になりましたが、それができるのもゲーム中の説明文、台詞といったものを翻訳してくれる人たちがいるからでもありますね。メディアサイト「ねとらぼ」に、そうしたゲームやアニメの翻訳お仕事をされている「アルトジャパン」という会社のインタビュー記事が掲載されています。

きっかけはガンダム

リンク:ドラクエやモンハンの世界をどう訳す? 「教会の十字架の形まで変える」ゲーム翻訳の奥深き世界

インタビューに出演しているのはアルトジャパンの依田寛子さんとMatt Alt(マット・アルト)さんという方で、ゲーム、映画、マニュアルの翻訳から音声収録のキャスティングなど幅広くローカライズの業務を手がけているのだそうです。アルトさんは80年代のガンダムのファン(つまり富野ガンダムのファン?)で、ガンダムの世界を日本語でちゃんと理解したいという思いから日本語を勉強し始めたとのこと。う〜ん、素晴らしい情熱ですなwインタビュー記事では日本語を英語に翻訳するときの注意点や難しさ、苦労話といったことを中心に語られていますね。

記事を読むと日本語には「僕」「私」「俺」「拙者」など一人称が多すぎて苦労するとか、英訳した際の文字制限で悩まされたりとか、独特なネーミングセンスの呪文名をどう英訳するかで結構時間がかかっているみたいですね。ドラクエⅧではメガンテを「Kamikazee」にしたという話ですし、ガンダムの「アムロ、行きまーす!」については、「この心情を完璧に表す英語は存在しません」とアルトさんは語っています。直訳するだけなら「Amuro, go」で簡単なんですが、その作品のキャラクター性や心情を汲み取った上で翻訳するとなると、やっぱり翻訳は難しいものなんスねぇ…。

インタビューによればドラクエⅧの翻訳作業には9ヶ月、準備期間含めて1年とのことですが、PS2時代のゲームで9ヶ月ってことは、今の時代の、さらに膨大なデータ量を誇るゲームはまさに地獄かもしれませんね。それこそSkyrimやFallout 4で妙な台詞が多かったのもじっくりと検証する期間がなかったのかななんて…音声の収録もありますし、タイトなスケジュールの中なんとかやっているんだろうなと改めて想像するところがあります。いや〜Fallout 76は大丈夫なんでしょうかねw

まぁちょっと下世話な話になっちゃいますが、日本のゲームやアニメが海外に、また海外のゲームも日本にどんどん入ってきている時代ですから、それこそ翻訳家の仕事というのは食いっぱぐれなさそうですな。もちろんしっかりとした知識が必要とされますけど、ゲームの輸入と輸出はこれからも伸び続けるでしょうから安定して収入の望める職業なのでは…。いいですねぇ。こういう仕事に就く若者が今後少しでも増えてくれると、ゲームファンとしては非常に助かりますよ。

と、それはともかくとして、ゲームの翻訳、というところにちょっと興味を持っている方はインタビュー記事にぜひ目を通してみてください。僕は結構面白かったです。

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