Fallout Londonを遊ぶ #19(クリア)

Fallout London 1

注意…今回の記事はFallout Londonのシナリオ上、壮大なネタバレを含むので「ネタバレ上等!」という人以外は読まないでください。

僕にその手を汚せというのか

前回は第五列とキャメロットの指導者を葬り去り、トミーの新たな将軍を任命したところで終了したわけですが、ここでまたひとつスマイスより命令が出されます。

スマイス曰く、「暴力による反乱を終わらせるためには市民の団結が必要である。その団結を生み出すにはロンドン市民に恐怖を抱かせる必要がある」と。しかしその恐怖から守るという姿勢を政府が示すことで大衆からの支持を得、思う方向に誘導しようといったところでしょうか。

して、「具体的に恐怖とは?」というと、それは「エンジェル」であるという。今こそエンジェルの名をロンドン中に広めるべく、ペッカムのランドズエンドインというホテルに向かい、次の作戦に移ってほしいとのことでした。

Fallout London 2

その件のホテルというのがここで、一見するとお城のような建物で、実際中もそこそこ綺麗だったりします。

Fallout London 3

チェックインを済ませ、指定された部屋に入るとそこにはスーツケースが。その中にはスマイスからの手紙とエンジェル・フレイマーという火炎放射器。それからエンジェルの旗、そして偽造文書が入っていました。手紙には以下のように書いてあります。

ペッカムの集落を襲撃し、すべてを焼き尽くせ。生存者は残すな。そのあと旗を掲げ、外国の破壊工作員がやったという虚偽の証拠を仕込め。

とのことでした。つまり主人公が何の罪もないペッカムの住民を一人残らず虐札し、「これはエンジェルの仕業だよ〜ん、証拠もあるよ〜ん」と自作自演の事件を起こせということですね。これは酷いw

まぁ言うなればタクティクスオウガのチャプター1、バルマムッサの大虐札と似たようなもんですかね。ウォルスタ人がウォルスタ人を虐札し、「これはガルガスタンによる仕業だ!こんな卑劣なガルガスタンを許してはおけない!」と濡れ衣を着せ、各地のウォルスタ人たちを決起させるというアレですな。

なるほどだからこのクエストの名称が「Acceptable Losses(許容できる損失)」なんですね。大義の前には多少の犠牲も必要悪だと…。ええ、汚しましょう、汚しましょうとも。

Fallout London 4

というわけでエンジェル・フレイマーを早速装備していざ鎌倉。Londonの火炎放射器はボンベを背負って、4のものとはまるで見た目がちがう武器となっています。ただねー、見た目はいいんだけど攻撃力自体は弱いんスよねw

Fallout London 5

そしてペッカムの居住地に入るなり、住民と、その家々をエンジェル・フレイマーで焼き尽くしました。このとき私がかのB’zの名曲を口づさみながら焼き払っていたことは言うまでもない。

Fallout London 6

すべてを焼き払いエンジェルの旗を掲げ終わると、そこへトミーのモーガン中尉がやってきて、「これはどういうことだ!?」と尋ねてきました。

実のところここで「自分が住民を全員頃した」という選択肢もあるのですが、ここはグッと我慢してエンジェルによる仕業だ、証拠もある!とモーガン中尉を説得。無事信じ込ませることができ、スマイスの計画通り自作自演の住民虐札事件は成功しました。

その後次の作戦を仰ぐためスマイスのオフィスへ行くと、このエンジェルの暴挙(笑)をロンドン中に周知させるため、テレビやラジオを使って一気に広める作戦を実行してほしいとのことでした。そのためウェストミンスターのブロードキャスティングハウス、つまりは放送局へいき、制圧することに。

Fallout London 7

この放送局を制圧するクエスト「Spin Doctor」では、借金まみれの役者を雇い、その後放送局の送信機を修理すべくテレスクリーン送信回路というアイテムをLTタワーまで取りに行くことになるのですが、このLTタワーの出入り口入ってすぐにある扉、これがなぜか開かない(アクセスできませんと表示される)バグに遭遇しちゃいましたね。

仕方ないのでコンソールコマンドの「TCL(衝突判定を無効にする)」を使い、強引に扉を突破してテレスクリーン送信回路を回収しましたが、これ僕だけの環境なのかは不明です。Ver1.02全体で起こっているのかなぁ?

Fallout London 8

そして放送局から焼き尽くされたペッカムの様子が流されたあと、エンジェルの会長を名乗るフョードル・フランソワが次のように宣言します。

ロンドンよ、私の声を聞け!我々はロンドンを侵略し、母国のために征服する!

イギリス人は誰一人として安全ではない。お前たち全員が我々の権威に従うか、全滅に直面するだろう。

ある種宣戦布告にも考えられる内容です。まぁもちろんこれは全部スマイスの作った台本で、役者が演じているだけの映像なんですが…。エンジェルにフョードル・フランソワなる人物なんて存在しません。

ともかくこうしてロンドンの市民たちに今ロンドンは外国からの侵略を受けている!と嘘の情報を広めることに成功しました。そして再びスマイスのオフィスへ行くと…。

Fallout London 9

スマイスが言うには、指導者を失って混乱にある第五列とキャメロットが手を組み、ウェストミンスターへの攻撃を計画していることが発覚した、といいます。彼らは政府の権力拡大を最後通告と捉え、間違った選択をした、と。

キャメロットはウェストミンスター橋にキャンプを設置し、門を爆破するための準備をしている。そして第五列はウォータールー駅を占拠し、地下鉄道を通ってウェストミンスターへの侵入を計画しているのでそれを阻止せよ、とのことでした。

Fallout London 10

これはウェストミンスターに侵入を試みるキャメロットと第五列を鎮圧するという、最後のクエストとなります。「勝利か敗北か、あなたの旅はここで終わります」とご丁寧に警告文まで出ました。

ただいきなり戦いが始まるというわけではなく、クエスト開始から7日後に作戦がスタートします。その7日の間にまだ未消化のクエストをこなすもよし、準備を整えるもよしという、親切設計になっています。まぁ僕は普通に待機して7日間過ごしましたがw

Fallout London 11

この最後のクエスト、ウェストミンスター橋とウォータールー駅のどちらから攻めるかは自由なので、僕は駅から橋に進み、ウェストミンスターに戻るという順番にしました。最後のクエストだけあってとにかく敵が多く、しかも結構タフな連中が続々出てくるため、銃をメインで使っている場合は弾薬をなるべく多く用意しておかないと辛いですね。Fallout 4でいうならB.O.S.を攻め落とすときのような戦いが続きます。

しかしウェストミンスター橋とウォータールー駅の敵を鎮圧しても、結局ウェストミンスターにキャメロットと第五列の侵入を許してしまい、首相官邸、放送局などを制圧されてしまいます。そこで結局それら施設にカチコミをかけて敵を殲滅するという、それこそ戦争のような状況ですごかったですね、ここ。もうウェストミンスター全体が戦場になっているっていうか。それだけに時間はかかるし、敵の数も凄まじいので高難易度でプレイする場合はかなりキツいかも。爆発武器とか持っていれば話は別かもしれないですが、それでもかなりの長期戦になると思います。

ちなみに、いかにもラスボス!って感じの敵はいませんでしたwまぁそこがなんかFalloutらしいっちゃらしいのかな…。

エンディング、そして…

Fallout London 12

ウェストミンスターに侵攻してきたキャメロットと第五列を撃退したあとは、自動的にウェストミンスター宮殿前へ。元々ここにスマイスがいるからって会いにきたら罠にはめられたんでしたっけ?宮殿の中ではエンジェルの兵士が警備に当たっており、ちょっと物々しい雰囲気。

このウェストミンスター宮殿は英国議会が議事堂として使用している建物で、主人公は今まさに議会が行われている議場に向かうべく、上へ上へと登っていきます。そして議場に入ると…

Fallout London 13

そこにいたのは全員、自分と同じ顔をしたスマイス(スミス)と名乗る人間。これが捜していたスマイスなのか?しかし何かが違う。一体どう解釈すればいいのか?このときは本当に意味が分かりませんでした。

妙な不安を感じつつ、宮殿に隣接するエリザベス・タワー(時計塔)へ向かいます。すると、時計塔の最上階で静かに佇む男がひとり。

Fallout London 14

彼もまた主人公とまったく同じ顔をしていますが、この男こそが主人公に数々の命令を出してきたスマイス本人であり、主人公はこのスマイスのクローンであることが判明します。

スマイス曰く、不幸な事故がなければ本来主人公が自分の代わりになっていた、と言います。そして自分自身もかつて実在していた「オリジナルの」スマイスのクローンではあるが、スマイスの感じたこと、経験したことを正しく覚えていると言います。つまり主人公はオリジナル・スマイスのクローンのクローン、みたいな立場ですね。

このクローン・スマイスはイーストミンスターで生まれ、もう200年ほど生きているそうです。オリジナルのスマイスはかなり残酷な死に方をしたらしく、その犯人を同じ運命に直面させることがクローンとして最初の行動だったと言います。

クローン・スマイスは情報省で働きつつ政府、政治家らに対し今後起こり得る戦争について警告を出していたようですが、全部無視されてきたため、一時は潜伏しつつも、この時代こそが自分の信念を実現する好機と見て行動に移した、ってことみたいですな。

そしてクローン・スマイスは「スマイスによって形作られたスマイスの世界として国家を運営していく」そうです。ただちょっと恐ろしい台詞として、

「私たちはプロレタリア(労働階級者)を実験の一環のように扱い、彼らを非人間化し、それが彼らの救いとなるでしょう」「プロレタリアは決して悲しむことはありません。怒ったり憎んだりもしません。彼らは単に完璧な状態を受け入れるだけです」

なんて言っていますね。

翻訳としてこれが正しいのかどうかは現時点ではちょっと分からないのですが、目標としてはスマイス(たち)による完全な管理社会を作り、労働者は労働者以上のことを望まず死んでいけるような世界でも考えているんですかねぇ…。余計なことを考えず、決められた役割だけをこなして行ければ普通の生活が遅れて普通に死ねるよ。それが君らにとっての「幸せ」であり「救い」なんだよ。それを我々が定義してあげるよ…ってことですか?僕の考えすぎかなぁ。まぁVault-Tecの管理社会と似たようなものなのかもしれないですね。

でもなんかちょっとディストピアを示唆したような終わり方だなぁ。クローン人間が本物の人間を管理する世界ってことでしょう。ハッピーエンドとは言えない気がしますw

そしてクローン・スマイスは主人公に退職金を与え、「会うのはこれで最後。さよならだ」と言って、エンディングへ。最後のクエストの警告文にあったように、本当にここでウェイ・ファーラーの旅は終わりです(Fallout 4のようにエンディング後の世界はない)。

Fallout London 15

このあと、クローン・スマイスが管理するようになったロンドンの様子と、各派閥のその後の姿がナレーション付きで語られます。まるでニューベガスのエンディングのように。ただ現時点では字幕がなく、何を言っているのかは全然分かりませんでした。翻訳されている方によれば現在このエンディングムービーに字幕をつけている最中だそうで、そのうち日本語でも読めるようになるとは思います。

そして最後に、Fallout Londonのテーマ曲でもある、ヴェラ・リンの「We’ll Meet Again」が流れる中、スタッフロールが流れてエンディングが終わります。もっともここで流れる「We’ll Meet Again」はヴェラ・リンが歌っているものではなく、Londonの方で独自に収録したカバー曲の方で、これは YouTubeでも公開されています。

かなり古い歌(太平洋戦争中に流行った曲)なのですが、なんか…心に沁みますね、マジで…。まぁ結果がどうであれ、ゲームをクリアできて良かったです、本当に。

完走した感想

Fallout London、途中3週間も休憩を挟みつつも無事クリアできてホッとしています。僕はVer1.01と1.02とでプレイしてきましたが、1.01の方は結構クラッシュすることも多くて悩まされたのが辛かったです。ゲーム自体は面白いだけに、余計そう感じたというか。アップデートしてからはかなり改善しましたが、それでもコンソールコマンド使わなければ進めないバグがあったり、まぁまだまだ課題は多いゲームだとは思います。ゲームのボリュームを考えれば、細かいところになかなか目が届かないのも仕方のないところではありますが。

そのゲームのボリュームについてですが、ハッキリ言ってケタ違いです。今回クリア時間は約68時間だったのですが、思い返してみると初めてFallout 4をクリアしたときは62、3時間だったような記憶があるので、まさにFallout 4本編と比べても負けないボリュームが詰め込まれていると言っても過言ではないと思います。これだけやってもまだマップの南側は発見していないロケーションもたくさんあるぐらいなので(以前も書きましたが、このゲームではレベルが20になるとロケーションの場所をすべて開示できるPerkがあるので、どこに行っていないのかが一発で分かる仕組みになっている)、やり込むとなるとそれこそ100時間とか普通に遊べそうな気はします。っていうか、絶対行くでしょう。

僕がこのゲームで一番感心したというか驚いたのは、やはりマップの作り込みですね。ロンドンの広さもさることながら、ランドマーク的な建物の再現性、そしてウェストミンスターの密度は度肝を抜かされました。

Fallout London 16

このウェストミンスターについてはですね、正確な広さはさすがに分かりませんが、イメージ的にはFallout 4で言うと上の画像の赤い線で囲んだ面積ぐらいが「ひとつの街」になっていると考えてください。この面積にバッキンガム宮殿やウェストミンスター宮殿、修道院に大学に多数の地下鉄に、カフェやバーにマンションにと建物がこれでもかと立ち並んでいるだけでなく、NPCも無数に歩きまくっているわけです。ハンパないですよ、物量が。

ロンドンの街並みをそっくりゲームに落とし込むというのに相当こだわったというか、無茶しすぎじゃないかってぐらい作り込まれています。凄いんだけれど、無謀でもあるというか。でもこのLondonの密度の濃さはぜひ一度体験してみることをお勧めします。Fallout 5がいつ出るのか分りゃしませんが…London以上に密度のあるマップにしないと、こりゃ〜叩かれるでしょうね、きっと。そのぐらいLondonは詰め込んだ感がありますよ、本当に。

Fallout London 14

そして最後にストーリーについてですが、選択肢が非常に多く、多彩な説得方法が用意されていたりとこだわりを感じる一方で、今回進んだエンジェルルートについて言えば「これで良かったのかなぁ」というちょっとスッキリしない後味も残るエンディングだったかなぁと。

ペッカムを焼き払うところでも書きましたが、所々破滅願望でもあるのかっていう選択肢も用意されていたりして、それを選んだ場合ストーリーがどうなるのかもちょっと気になるところです。もちろんエンジェルと手を組まなかった場合のルートも面白そうですし、その場合スマイスはどうなるのか?ってところも興味深いですね。

スマイスが自分のクローンを作り、そしてそのクローンがさらに自分のクローンを作る。ゲーム中でもよく見かける、イギリスではよく使われるというフレーズ「Mind the gap」っていう言葉も、何かこのクローンがクローンを生むという世界観にかけているところがあるんだろうか…う〜ん、分からん。何か得体の知れない不気味さのあるシナリオでもあった。まぁスマイスは、若干くどさを持ちつつもキャラとしてはしっかり立っていて面白かったと思います。

それにしても…疲れた。AAAクラスのゲーム丸々1本分みたいなもんですから。面白かったけど、これだけのカロリーがあるゲームを遊ぶのは結構しんどいですw本当にお腹いっぱい。いずれまた遊び直したいとは思うけど、だいぶ先のことかな。うん、でもまた会いたいですね、ロンドンで。それこそまさにWe’ll Meet Againってね。

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