「Legacy of Orsinium」テストプレイ(ネタバレあり)

Legacy of Orsinium 1

まだ半分

さて現在翻訳中の「Legacy of Orsinium」なんですが、翻訳済みの量がなんとか半分を超えたので、ここでちょっとちゃんと翻訳が反映されているのか、少しばかりテストしてみました。まぁ、先日アップデートもあったし、なんにしても最新バージョンの動作テストはやらなきゃなぁってことで。

ここから先は思いっきりストーリー上のネタバレを無思慮に書いていくので、まだクリアしていない人は読まないでください。

Legacy of Orsinium 2

これまで翻訳を終えたのはクエストジャーナルと台詞の一部なんですけど、実際プレイしてみると序盤の方はまぁまぁ翻訳できていたようで、ちゃんとゲームに反映されていて安心しました。

ただこのラシュバーという名前とか、本当にこの読み方で合っているのかどうかというのは、実のところ分かっていませんwこればっかりは実際にゲームをプレイして、声優さんがどういうふうに発音しているのかを耳で確かめないと本当に分からないんです。例えばこのラシュバーの場合、ラシュバル、とかかもしれないし。名前の読み方はマジで迷います。

あ、それとこのラシュバー(仮名)が装備している古代オークの鎧なんですが、現在のバージョンだとクエストをある程度進めないと作れなくなっているっぽいですね。バージョン1.00のときはすぐ作れる仕様になってたんですが。

Legacy of Orsinium 3

そしてアグラ・クルンの拠点、灰の空洞で出会う「灰の予見者(Ash Seer)」。

こうやって翻訳した台詞を読んでみると、「そうすれば」じゃなくて、「さすれば」とか、少し古めかしい言葉遣いに修正した方がいいのかななんて感じますな。

Legacy of Orsinium 4

そしてこの翻訳作業の中で僕が一番面倒に感じるのは書物類ですね。もうとにかく長い!なんでこんなに長いんだ!そしてそもそも部族の読み方もこれで正しいのか分からない!

名前については結構ESO絡みの名前もちょくちょく出てくるので、本来であればESOの日本語版と照らし合わせながら書いていった方がいいんだろうなぁなんて思ったりもします。例えばマラキャスのことを「Mauloch」と異名で書かれている部分があったり、なんかパッと分からないんですよね…。マウロック?それともモーロック?ESOの書物にはこの名前で書かれているらしんですけど。

Legacy of Orsinium 5

そしてこのLegacy of Orsiniumの重要人物の一人が、アグラ・クルンの指導者、狩猟の妻ドゥルガ(Hunt-Wife Durga)ですな。名前については狩猟の女神アエラにならって狩猟の妻としてますけど、これでいいんですかね。う〜ん…。

それはともかくとして、この狩猟の妻ドゥルガはプレイヤーにいくつかの試練を与えてくるほか、エンディングにも大きく関わってきます。そもそもこのLegacy of Orsiniumのシナリオの大枠は、オーシマーに伝わる失われたマラキャスの遺物「復讐の眼(The Vengeful Eye)」を巡る話になっており、復讐の眼をアグロクの墓所で手に入れたあと、狩猟の妻ドゥルガとどう話しをつけるか、ってことになっています。

で、この狩猟の妻ドゥルガとはどういう決着がつけられるのかというと、

  • アグラ・クルン自体を滅ぼす。
  • 復讐の眼入手後、狩猟の妻ドゥルガが戦いを挑んでくる(ドゥルガ死亡ルート)。
  • 狩猟の妻ドゥルガを説得してオルシニウムに帰還させる(ドゥルガ生存ルート)。

といったものに分かれているようです。

このうち狩猟の妻ドゥルガの説得については単に説得の選択肢を選ぶというわけではなく、マラキャスから裏事情を聞く必要があるっぽいんですよね。クエストジャーナルには「アッシュピットへ行く」というのがあるので、そこでマラキャスから直接話しを聞くというか。実は狩猟の妻ドゥルガの旦那(つまり王)が裏切っているよ〜んみたいな話をマラキャスから聞いて、それを狩猟の妻ドゥルガに告げると、心変わりをするという…まぁそんな感じです。多分。まだこのあたりは詳しく翻訳していないので、ちょっと違うかもしれない。

狩猟の妻ドゥルガがなぜ復讐の眼を求めているのかについては、ざっくり言うとマラキャス派とトリニマック派で分断してしまったオルシニウムを団結させて、強い国にしたいというのがあるみたいですね。復讐の眼はマラキャスがオーシマーに贈ったレリックのひとつということで、マラキャスの力、威光で国をまとめたい、という願望があるようです。

このLegacy of Orsiniumではトリニマック派、というかその教団が異端者という立場で登場し、当然アグラ・クルンから狙われることになります。そしてその汚れ役をプレイヤーが背負わされることになるわけですが、トリニマック派を全滅させることもできれば、逆に見逃すことで解決することもできます。

面白いのはこのトリニマック派の(おそらく)司祭と対峙したときの会話です。

故ゴートウォグ王が、これこそが真の信仰であると定めたではないか。王が亡くなって以来、我らオーシマーの地位は向上し続けてきたはずだぞ?ただ強くなるという目的のためだけに、無意味な殺生にふけるような神に仕えるつもりはない。

(略)

トリニマックは勇気と正義、そして結束を司る戦士の神だ。アルドマーの黄金の騎士。アーリエルの勇士よ。

トリニマックはすべてのエルフの神々の中に存在している――その本質は、ニルンという生きた織物の中に織り込まれているのだ。木の葉を通して差し込む陽光のようにな。

だが歴史を通じて、ある神話が根強く語り継がれてきた。トリニマックはボエシアに飲み込まれ、マラキャスという名の悪魔に変えられた…と。

嘘というものは、真実よりも速く広まるものだ。トリニマックは生きておられる。その力は絶対だ。我らがパラゴンの力を引き出しているというのに、どうしてマラキャスなどが存在し得ようか?

信者同士を争わせるなど、一体いかなる神だ? 己の子らが傷つけ合い、血を流すことを促す父親が、どこにいるというのだ?

マラキャスの信徒たちは弱さを忌み嫌う。だが、思いやりの心はどうなる?病を持って生まれた者は?不運によって――あるいはただ歳月によって病に倒れる者はどうなる?弱き者は死に値するなどという話があるか。彼らは守られるべき存在なのだ。

トリニマックは生きておられる。その高潔さは、すべてのオーシマーの中に息づいているのだからな。お前も、それを見てきたはずだろう?真の神が我らに勇気を授け、その翼で高みへと導いてくださるというのに、血と怒りなど誰が必要とするだろうか?

(略)

悪魔マラキャスがオーシマーを欺いてきたように、とか言いたいのか?オークは野獣ではない。誇り高きエルフ、その成れの果てだ。偽りの父が犯した罪によって、苦しみ続けているに過ぎん。

ここで言うパラゴンとは、おそらく人物や象徴的存在を指している可能性が高い。つまり、トリニマック信仰とマラキャスの否定を唱える文脈からすると、「我らはトリニマックの力を引き出しているのだ」という感じ。

それとトリニマックというのはボエシアに食べられてしまった神様で、そのあとボエシアが💩をしたところ、💩がマラキャスへと姿を変えたっていう神話になっています(ひでえ神話だ)。

まぁそういう背景事情も踏まえた上でこの長台詞ですよ。マラキャスを信奉する多くのオークたちへの(激ウマギャグ)倫理的疑問、あるいは哲学的な問いかけ、とでも言いましょうか。それでもなおマラキャス派の言う事聞いて戦いますか?っていうクエストなんですよね。

いやぁこの台詞、良心に問いかけるような…そんな重みも感じられて面白いですねぇ。誰がこの脚本を書いているのかとか僕はさっぱり知りませんけど、本当によくできていると思います。

これ以外にも翻訳の作業していて特に面白いなと思ったのが、

奴らは、壊れた鏡を覗き込む老女のようだ。目を細め、かつて自分が持っていたはずの美しさの欠片を、どうにかして見つけようとすがっているのさ。

オークという種族が抱く、「かつての栄光への執着」とでも言うんですかね、非常に残酷かつ詩的な比喩で表現したこの一節がすごく印象に残っています。

僕自身これまでいくつかのMODを翻訳して遊んできましたが、これほどまでに脚本の、台詞の作り込みが面白いと感じたのは初めてです。正直センスは群を抜いていると思う。

やっぱりその意味でこのLegacy of OrsiniumっていうのはTESマニアが作ったTESマニア向けの作品と言えるんじゃないかなって気もします。徹底してロアに基づいて作られたシナリオをSkyrimに実装したい、そんな人に向けたものなのかと。だからこそベセスダが公式で翻訳をすべきとも思うのですが…。

ともかくあと半分、翻訳作業頑張ってみようと思います。ただ現段階ではブログにどうまとめればいいのか、それもちょっと難しそうな気配ですね、これ。もしかしたら重要な部分以外はザックリ切りながら、ってことにもなるかもしれない。

まぁ全体像は見えてきているので、どういう構成にするかそろそろ考えつつ作業を進めていきます。早く遊んでみたいなぁ。